シャツづくりには欠かせないボタンホールですが、その作り方には
- ミシンのボタンホール機能で作る
- 手縫いで作る
という2通りの方法があります。
ここでは、手縫いでのボタンホールのうち、片流れボタンホールの作り方を紹介します。
片流れボタンホールはパジャマやポーチなどに使います。
細かい作業ですが、縫い方は同じことの繰り返しなので、覚えてしまえば意外と簡単です!
この機会に、手縫いボタンホールをマスターしてみてはいかがでしょうか?
(両留めボタンホールについては、また後日まとめたいと思います。)
手縫いボタンホールのメリット、デメリット
個人的な意見として、手縫いボタンホールのメリットとデメリットを挙げてみます。
- ミシンよりほつれにくく丈夫
- 失敗しにくい
- かがり目がきれいに出る
- 時間がかかる
- 作業が細かい
- 仕上がりにばらつきが出る
これは私が感じていることなので、他にもメリット、デメリットがあったり、人によって感じ方は違うかもしれません…
手縫いボタンホールの縫い方
手縫いボタンホールの大まかな流れは、
- ボタンホールの大きさを決める
- 枠を作る
- ボタンホールかがりをする
の3ステップになります。
それでは、詳しく説明していきます。
ボタンホールの大きさを決める
ボタンホールの長さ(大きさ)は、ボタンの直径+厚みで決まる。
例えば、写真のように直径17mm、厚さ2mmのボタンを使う場合、
ボタンホールの枠は3mm×19mmとなる。
枠を作る
1.高さ3mm×ボタンホールの長さ(大きさ)の枠を描く。
2.ミシンの縫い目の長さを1mmに設定し、1で描いた線に沿って枠を縫う。
縫い始めと縫い終わりは、糸がほつれないように1cmくらい重ねる。
3.ボタンホールの穴を開ける。
糸切ばさみやリッパー、ボタンホールノミなどで真ん中の線に合わせてまっすぐに切り込みを入れる。
ボタンがきちんと通るように、ミシンの枠ギリギリまで!糸は切らないように注意!
ボタンホールノミがあるときれいに穴をあけやすく、とても便利です。
私は9mmを1本持っています。
ボタンホールかがりをする
- 糸は#60ミシン糸を使います。
慣れていない場合は、手縫い糸や太目の糸でも大丈夫です。
慣れてきたら一般的に普通地で使う#60ミシン糸でできるようになると良いです。
- 糸の長さはボタンホールの長さ(cm)×30cmくらい。
だいたい60~80cmくらいあれば足りることが多いと思います。
私は余裕をもって80cmくらいは用意するようにしています。
1.玉結びをし、布の表、布の端から遠い方に、写真のように針を刺す。
2.写真のように角から角へ針を刺していく。
この時に枠の長辺に重なるミシン糸がボタンホールかがりの芯のような役割になる。
3.最後の角に針を刺したら、切り込みから表に針を出す。
4.最初に針が出てきたところからかがり始める。
かがる向きは、下の写真の向きの場合、左下から上を通って右下の順。
針を切り込みから入れ、枠のすぐ外側に出す。
5.糸が2本重なっている部分(針の穴からでているところ)を進行方向に向かって針先にひっかける。
下の写真の向きの場合は、下から上に向かってひっかけている。
6.針を抜き、切り込みの方向に横向きに糸を引く。
5でひっかけた糸が結び目のようになる。
上向きに引っ張ると結び目が表に出てくるので注意する。
7.さらに糸を引っ張り、結び目をしっかりと締める。
引っ張る強さは、緩すぎると結び目が弱くなり、強すぎると布が負けて破けてしまうので、様子を見ながら加減する。
8.先程できたかがり目と糸1本分あけ、次の目以降をかがる。
かがり方は同じ。糸の間隔が均等になるようにするときれいに仕上がる。
9.折り返しまできたら、放射状にかがる。
糸を引っ張る向きは上向きにする。
結び目が切り込みではなく布の表にでき、きれいなかがり目に仕上がる。
10.折り返しをかがり終わると、写真のように放射状になる。
長辺に差し掛かったら、4~8の工程と同様に、糸を切り込みの方向に引っ張ってかがっていく。
11.最後までかがったら、1針目のところに針を刺し、最後の針目から出す。
12.同じように2回糸を通す。
13.横向きに2回糸を通したら、2回目は切り込みから針を表に出す。
14.先程横向きに通した糸を括るように縦向きに縫う。
切り込みの枠のすぐ外に針を刺し、切り込みから出す。
これを2針行う。
15.縦の2針目は針を裏に出す。
表からみると下の写真のような状態になっている。
16.糸の始末をする。
布を裏向きにし、針を最後にかがった糸の中を1cm程くぐらせる。
しっかりかがっているため、糸が抜けてほつれないようになる。
17.針を引っ張り出し、糸を切る。
18.最初の縫い始めの糸を切り、玉結びを取って完成!
表と裏それぞれからみた状態は、下の写真のようになる。
まとめ
初めての場合や久しぶりに縫う場合、かがり始めなどは目が揃わないこともありますが、慣れてくると目の間隔もかがり方も揃ってきます。
Yシャツなどのボタンホールを手縫いで縫う場合は、下から作っていくのがおすすめです!
一番下は目立ちにくく、上になる第1、2ボタンのボタンホールは目立ちやすいためです。
目立たないところから縫うと、慣れてきた頃に目立つ場所のボタンホールを縫えて、それだけで仕上がりがきれいに見えます。
時間はかかるしスキルがかなり出ますが、きれいに縫えると達成感もひとしおです!
ぜひ、この機会に手縫いボタンホールをマスターしてしまいましょう!
ボタンホールと言えば、セットになるのがボタンです。
いまさら聞けないボタンの付け方はこちらから。
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